リオオリンピックで日本の伝統文化よりもアニメでPRした理由

マーケティング

 

こんにちは。じぇいです。

 

リオオリンピックが閉会して約1ヶ月程経ちましたね。

メダルの獲得数も過去最多となる41個と

素晴らしい大会でしたね。

 

 

「今更リオオリンピックの話題かよ」

と思うかもしれませんが、

僕が今日話したい内容はリオオリンピック

閉会式の日本が魅せた

2020年の東京オリンピックのPRです。

 

 

スポーツとアニメを組み合わせて

最後には首相の安倍さんがマリオの格好で登場しましたね。

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さて、

今回の日本の閉会式の演出は

かなり思い切った演出だったわけです。

 

これにより各メディアがどんな取り上げ方をするのか?

 

外人はどんな反応を見せるのか?

 

ここに注目していました。

 

それらを踏まえて

今回のリオオリンピックの閉会式の

マーケティングについて解説したいと思います。

 

 

まずは、

閉会式後日本での各種メディアの取り上げ方や

評論家はどんな反応を見せたかというと。

 

 

肯定側の意見としては

「これまでの日本のイメージを覆すような素晴らしい演出だった」

 

否定側の意見としては、

「能や歌舞伎、和服といった伝統的な要素が一切なく

日本はアニメの国として見られてしまう」

 

 

「安倍さんの登場により政治が介入するな」

とか意見はいろいろありましたが、

簡単にそれぞれの意見を求めると、

 

これまでの日本のイメージで勝負するか?

それとも新しい日本のイメージを打ち出していくか?

 

 

こういうことでした。

 

 

議論するテーマ自体は

間違っていないと思いますが、

議論のレベルが低いなと。。。

 

 

肯定する側も否定する側も

自分はどちらの日本が好きだから

というスタンスでの話になってしまっています。

 

 

また、安倍さんの事が嫌いな

新聞社が幾つかあるのですが、

それらの新聞社は当然今回演出を否定。

 

 

仮に良い思っていても

安倍さんが出てくるから

否定なんて小学生じゃないんだから。

 

 

結局メディアや評論家、

コメンテーターなんてそんなもんですね。

 

 

アニメを打ち出して行くべきだ。

いや、古き良き日本の文化で勝負すべきだ。

 

なんてことは個人的な意見にすぎません。

 

 

じゃどうするか?

今回の演出は2020年の

東京オリンピックに繋がる

大切な演出だったわけですが、

 

そもそも何のためにオリンピックを東京でやるのか?

 

 

これがポイントですね。

 

 

オリンピックを自国で開催する理由としては

 

・自国開催だと多くの日本人が観戦できるから

・日本に大量の観光客を呼び寄せられるから

・外国人に日本を知ってもらえるから

・雇用者数も増える

 

 

こんな感じですかね?

 

 

これって単純に全て経済に繋がっているわけです。

 

日本人の観戦が増えるということは

不景気により堅くなっている

財布の紐を緩めさせられます。

 

 

外国人からの認知度が上がり

観光客が増えれば外国からのマネーが流入します。

 

 

雇用者数が増えれば言うまでも無く

景気刺激になります。

 

 

要は、

オリンピックを自国開催する目的は

経済の為です。

 

 

「いや、自国開催だと日本選手が

ホームになりプレーしやすくなるからだよ」

 

なんて理由も一理ありますが、

全員が全員ホームの方が力を

発揮できるとは限りませんよね。

 

 

自国の歓声の大きさに飲まれてしまう選手もいるので

必ずしもホームが優勢とは限らない。

 

 

 

もっとわかりやすく

視覚的に見るのであれば、

日本の株価ですね。

 

 

オリンピック開催決定と同時に

関連株がたくさん買われ

日本株は類を見ない上昇を見せました

(様々なその他の要因もありますが)。

 

 

 

つまり、オリンピックの自国開催は経済の為だと言うこと。

 

さて、本題は

これまでの日本のイメージで勝負するか?

それとも新しい日本のイメージを打ち出していくか?

 

でしたね。

 

 

オリンピックの開催の理由が

経済だと言うことが分かったなら、

考えるべき点は

 

新しい日本のイメージ(アニメ、グラフィック技術など)を

打ち出す方が開催以降の経済効果が大きいのか?

 

日本の古き良き時代のイメージ(能や歌舞伎など)を

全面的に押すほうが経済効果が大きいのか?

 

 

議論するならこういった

経済の数字ベースで話すべきですよね。

 

 

「古き良き時代日本のイメージが大切だ!」

なんて言っていても、

結局経済効果が無いなら

自国開催する意味無いですし。

 

 

こんな事を言う人は

オリンピックを自国開催する意義を

理解していないんだなとも思います。

 

 

 

それで恐らくですが、

閉会式のPR製作側が考えた結果は、

新しい日本のイメージを打ち出すこと

だったのかと思いますね。

 

 

 

だって単純に既に認知されている

日本の魅力を増大させるより、

新しい日本の魅力を認知させた方が

大きな経済効果が得られやすいですよね。

 

 

更に言うなら、

古き良き時代日本を更に

外国人に知ってもらったとして

その古き良き日本を味わえるのは

日本に行かなければならない。

 

一部地域では海外で

歌舞伎をやったりもあると思いますが、

基本日本に来ないと体験できない。

 

 

でもアニメという文化を知れば、

日本にはアニメって言うのがあって面白いんだよ。

と思って貰えれば、

簡単に海外でも放送出来るから

自国にいながら日本のアニメを楽しめる。

 

アニメを知ってももらった後の

展開の容易さも兼ね備えている。

 

 

また歌舞伎や能、落語何かは

日本においてもやはり多少ハードルが高いので

若者よりも年配の人が興味を持っている。

 

 

どっちの認知を、魅力を、拡大させやすいか?

経済効果が大きいか?

というのはアニメだと思いますね。

 

 

 

これから東京オリンピックに向けての

開会式のプロモーションについて

いろいろ言われると思いますが、

何を打ち出すと経済効果が高いか。

 

 

最終的にはここに辿り着くとかと思います。

 

 

そして、現状は日本の文化の中で

最も大きい経済効果を見込めるのが

アニメとグラフィック、VRなどの技術力だと思います。

 

 

実際問題海外の反応は絶賛の嵐で、

 

「日本は金メダル級の主催国になってくれそうだね。」

 

「ちょっと2024年の開催都市には同情してしまうよ。

東京の後にやると全てが平凡に見えてしまいそうだ。」

 

「日本だった。とことん日本だった!」

 

 

という声が多くあの映像自体は大成功だと思います。

 

比較的批判の声は少なく、

唯一見られるのがスポーツに首相が介入してくる。

という程度だった。

 

 

 

今回の演出は椎名林檎さんや佐々木宏さん

中田ヤスタカさんなどなどたくさんの

スーパークリエイターが集まっただけあって

僕個人的には本当に素晴らしいなと思った。

 

 

マーケッターという視点でちょっと解説を入れると、

まず冒頭の入りが素晴らしかった。

 

冒頭覚えていますか?
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壮大なアピールをする前に、

日本から最初に伝えたことは、

”被災地支援への感謝の言葉”です。

 

 

まず全世界に対する感謝だと、

改めてそういう場を作ったのは

さすが日本という感じですね。

 

 

この冒頭の時点で観客はこころを掴まれたのではないでしょうかね。

 

あとはメインPRにキャラクターを用いたことも上手い。

 

 

例え国内で人気があっても、

世界的に知られている日本人って

あまりいないですからね。

 

例えば

日本国内で世界で最も有名なスポーツ選手は誰だと思いますか?

 

という質問をすると恐らくですが

よく名前が上がるのがイチロー選手かと思います。

 

 

でも確かにイチロー選手は日本でも

アメリカでもカナダでも韓国でも有名ですが、

その他の国々からしたら知らない人は多いですよね。

 

 

だって野球なんて世界的に

あまりメジャーなスポーツではないから。

 

 

世界で最もファンが多いスポーツはサッカー

その次がクリケットです。

野球はトップ10位にも入っていません。

 

それにしても、

クリケット!?と思うかもしれませんが、

これは日本に馴染みが無いだけで世界では有名です。

 

 

だからイチロー選手より、

クリケットで世界的に活躍している選手の方が

遥かに知名度が高いということです。

 

 

つまりは世界的にプレイされている

ゲームキャラクターである

マリオを使った方が認知度が高く

お客さんの満足度が高いということです。

 

 

また、キャラクターは意思を持たないから

100%クリエイターの気持ちを

乗せることができますしね。

 

 

クリエイターがお客さんを楽しませる

気持ちを持っていれば、

それは最高の演出になって

世界中の人に伝えることができます。

 

人間ではそれが難しいでしょうね。

 

 

今回のプロモーションで批判的な声が

少なかった大きな理由でもあると思います。

 

 

更にお客さんの満足度を上げる為に

ドラえもんとマリオを共演させるとか

どれだけ大変なことか。

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オリンピックという国を挙げた

一大イベントだからこそ実現した共演ですよね。

 

そしてあの映像で一切、

著作権マークである(c)マークが出ていないんですよ。

 

全ての著作権者にOKをもらうという相当な苦労が伺えますね。

 

更に最後はマリオがゲームクリアした時の音楽でフィニッシュ。

素晴らしい悪戯心ですね。

 

 

観客を本当にゲームクリアした時のような気持ちにさせ、

続きのステージは東京でと案内しているようにも感じましたね。

 

 

今回の閉会式のPR映像は

日本が作りたいモノを作って

自己満足するのではなく、

世界中の観客の立場になって

考えられたプロモーション映像だったように思えます。

 

 

だからこそ世界中から賞賛を映像になったんだと思いますね。