ディズニーランドが閉園の可能性!?オリエンタルランドが見せた契約の穴を突いたマーケティング
こんにちは。じぇいです。
今年2016年にまた
ディズニーランドの料金が引き上げになりましたね。
僕は久しくディズニーランドには行っていませんので、
僕の中でのディズニーランドの1dayのチケット代は
5,800円くらいのイメージで止まっていたのですが、
今は7,400円もするんですね。
あまりの値上がり具合にその価格を見て驚きです。
というか僕の中でのディズニーチケット代である
5,800円はいつ頃だったか調べてみると・・・
2006年から2010年のときの価格だったんですね。
ディズニーランドで楽しんだ記憶が
2010年から止まっていたのですが、
注目すべきはたった6年で4回の値上げをしていて、
金額にすると、6年で1,600円も値上がりしているんですね。
ちなみに一番チケット代が安かった
開園当初は3,900円ですからね。笑
物凄いペースで値上がりしていますね。
しかし、
入場者数は全く減る気配はありません。
そのいろいろ理由はありますが、
最も大きな理由は日本人はストレス社会の影響で
非現実的な空間を好むようになったということですかね。
その最たる例がハロウィンの人気なわけです。
あれは非現実を味わえるということで
日本のイベントでクリスマスの次に
人気なイベントになったわけです。
ディズニーランドは、
こうなることを見越していたかのように
開園当初から「夢の国」なんて
コンセプトを掲げ、非現実の空間作りに徹していたわけです。
ディズニーランドに居るときだけは
仕事の事を忘れられ、日々の嫌なことを考えず楽しめる。
最高の空間に最高のサービスの演出。
さすが天下のディズニーランドですね。
つまり、
会社員の平均年収は年々落ちていて、
ディズニーランドの入場料は年々上がっているのに
入場者数は衰えないということをみても、
人は自分が必要だと思うことに対しては、
惜しみなくお金を払うという事がわかりますね。
年々客単価を上げているのに
入場者数は減らしていない。
というのはマーケティング的観点で言うと、
素晴らしいですね。
リピート率98%のテーマパークってえげつないですよね。
人々を惹きつけ
今では日本人には欠かせないそんな
テーマパークになっている
ディズニーランドですが・・・
東京ディズニーリゾート全体が閉園する
可能性があるって知っていましたか?
要は、
日本から東京ディズニーランドが消えるということです。
もちろん、ディズニーシーや
その関連施設が全て消えるということです。
それは、オリエンタルランド(日本のディズニー社)が
天才的なマーケティングを組み、
日本で爆発的な人気を出したがゆえに
ウォルトディズニーカンパニー(アメリカのディズニー社)が
オリエンタルランドに嫉妬したからとも言えますね。笑
ということで今日は色んな書籍に書かれている、
ディズニーランドが成功した理由をお話するのではなく、
視点をズラして、
日本のディズニー社であるオリエンタルランドと
アメリカのディズニー社であるウォルトディズニーカンパニーとの
仕掛け合い、やりあいについてお話しようと思います。
そもそも、意外と知られていないのですが、
世界7ヶ所もあるディズニーリゾートのうち、
唯一日本のディズニーリゾートだけ
直営店じゃないんですよね。
いわばフランチャイズ店です。
フランチャイズとは、簡単に説明すると、
ディズニーという名前やキャラクターは
自由に使って商売して良い代わりに、
ロイヤリティー(ライセンス料)は支払ってね。
あと、何かあっても責任は自己責任だからね。
というビジネスモデルですね。
では、なぜ日本だけ
ウォルトディズニーカンパニーの直営ではなく、
オリエンタルランドがフランチャイズとして
経営するようになったのでしょうか?
ウォルトディズニーカンパニーは当時、
カリフォルニアとフロリダに
ディズニーリゾートを持っており、
海外進出を考えていました。
しかし、資金的に余裕がなく、
また、海外展開での成功する
イメージが十分に出来なかったそうです。
そこで考えたのが、
建設費も掛けず、リスクも減らしながら
海外展開することができる
フランチャイズ契約です。
こうすれば、
ウォルトディズニーカンパニーは
土地の買収や施設の建設費を負担することなく、
ライセンス料だけを手に入れることができると考えました。
実際に日本へその企画を持ってきた訳ですが、
その内容が、契約期間は45年で、
しかもロイヤリティーとしてチケット代の10%、
飲食売上の5%を徴収するという、
あまりにも法外な契約内容でした。
この条件でウォルトディズニーカンパニーと交渉したのが、
当時浦安沖の埋め立て事業をしていたオリエンタルランドです。
フランチャイズ店としては
かなり厳しい条件で契約を結ぶことになった
オリエンタルランドですが、
彼らは、この契約の穴を見つけ出しました。
飲食代、チケット代の売上分は
ロイヤリティーとして持って行かれてしまうのですが、
ある部分に関してはこの条件の対象外だったんですね。
この契約の穴がオリエンタルランドに
大きな利益をもたらしました。
「そんなところから利益が上がるとは…」
というまさかの展開に後悔した
ウォルトディズニーカンパニーは
その後設立された日本以外の
ディズニーリゾートは全て直営店にするようにまで
なってしまいました。
さて、
オリエンタルランドは
チケット代と飲食代以外のどこで
大きな利益を得ることになるでしょう?
それは、おみやげ代(グッズ代)です。
「なーんだ!思った通りの答えだった」
と思うかもしれませんが、
実はアメリカにはおみやげという文化がありません。
だから、
ウォルトディズニーカンパニーも
まさか、おみやげがバカ売れするとは考えいなかったんですね。
つまり、
法外な酷い契約をする上でのせめてもの
妥協点としておみやげ代に関しては、
ロイヤリティーは要らないと言ったのでしょう。
事実、アメリカのディズニーリゾートでの
おみやげの売上というのはチケット代や
飲食代に比べると圧倒的に低いそうです。
でも、日本人って1泊2日でちょっと旅行に行ってくる。
日帰りでちょっと弾丸旅行いってくる。
というだけでもおみやげって買ってきますよね。
オリエンタルランドはここに目を付けたんです。
不利な状況を逆手に取った抜道での成功ですね。
そして、
オリエンタルが取った戦略は、
チケット代、飲食代で売上を上げることよりも、
魅力的な商品開発を行い、
お土産販売に力を入れるようにした結果。
東京ディズニーランドの
ざっくりした収益割合はというと
チケット代42%、飲食代22%、おみやげ代36%
となっています。
この事実知った、
ウォルトディズニーカンパニーはびっくりですよね。
別にこれっぽっちのお金しかならないであろう
条件だと思っていたら、
飲食代よりも大きな収益を上げているんです。
しかも、
海外進出は上手く行くか疑心暗鬼だったから
フランチャイズ展開にしたわけですが、
まさの日本でのディズニーリゾートは大盛況。
これがフランチャイズではなく、
直営店だったらどれだけ儲かっていたことか。。。
という気持ちでしょうね。
だって、
ライセンス料は売り上げの数十%にしかすぎません。
もし直営であれば、
最初の建設費などにコストがかかるものの、
売り上げがそのまま入ってくるわけですから。
開園10周年の記念式典では、
当時ディズニーのCEOを務めていた
マイケル・アイズナー氏が、
東京ディズニーリゾートを
フランチャイズ契約にしたことを
「史上最大の失敗」と冗談めかして語ったりもしました。
まさかのおみやげ代で大きく利益を上げる
という意表を突く戦略で
多大なる収益を持っていったオリエンタルランドに仕返しです。
まずは、当時の契約に無かった
おみやげからもロイヤリティーを徴収することを言い出します。
オリエンタルランドとしては、
これまでおみやげにロイヤリティーがかからないから
チケット代も飲食代も値上げせずに済みましたが、
これが取られるようになってしまったらどうなるでしょう?
そうですね。
チケット代を上げたり、飲食代を上げたりしなければ
今まで通りの経営を維持することはできません。
世間一般的には、
ディズニーランドのチケット代が
年々高騰していることに対して、
「入場者数が多すぎて、
あまりにも待ち時間を作ってしまうことが
長年の課題だったから、値段を高騰させることで
入場者数を少し下げる狙いがある」
とか、
「新しエリアや乗り物を建てるのに
莫大な建設費が掛かっているので
チケット代を高くしている」
と言われていますが、
どうでしょうかね。
個人的な見解ですが、
おみやげに対するロイヤリティーを取られるようになったから
というのが一番しっくりくるのでは無いでしょうか。
ここまで読み進めて頂けたなら、
東京ディズニーリゾートが閉園する
可能性があると言った意味がわかるのではないでしょうか?
もう一度整理しますと、
東京ディズニーランドやシーを含める
東京ディズニーリゾートは
世界で唯一のフランチャイズ契約であり、
先程も記述した通り、
ウォルトディズニーカンパニーは
東京ディズニーリゾートを
フランチャイズ契約にしたことを
「史上最大の失敗」と言うほど後悔しているということ。
そして、
東京ディズニーランドが開園した1983年から
45年間の契約だったが、
オリエンタルランドとディズニーとの交渉によって、
東京ディズニーシーが開園した2001年からの
45年契約へと改められました。
その契約の期限は2046年9月4日。
オリエンタルランドとしては、
またフランチャイズ契約を結びたいが
現状のより契約を厳しくされると
運営が困難になる。
ウォルトディズニーカンパニーは直営店にしたいが、
そのためにはオリエンタルランドから
既存の土地や建設物等を全て買収しなければならない。
それぞれの思惑があるわけです。
どちらも条件を妥協しなければ
東京ディズニーリゾートは閉園ということです。
まぁ流石にそれはどちらの会社にとっても
とんでも無い損失になるので
どちらかが妥協点を見つけ合意することになるとは思います。
でももしかしたら、
東京ディズニーランドリゾートが直営店になるかもしれません。
直営店になれば、
季節ごとのスペシャルイベント
「夏祭り」や「七夕」は日本だけですから
それらが無くなる可能性もあります。
他にもまた、ホットポット(おでん)や
ミッキーマウスまん、お汁粉などのように
日本独自のフードメニューも認められないかもしれません。
流石に、なくならないにしても、
経営権が変わるわけなので、
アメリカテイストになるかもしれませんね。
逆に、
現在同様フランチャイズ店のままかもしれませんが、
今以上に契約が厳しくなるので様々な
値段の高騰とかあるかもしれませんね。
今回東京ディズニーリゾートが無くなるかも
という少し大げさな話をしましたが、
僕が伝えたかったのは実はそこではありません。
今回僕が最も伝えたかったのは、
一見とても不利に見える
フランチャイズ契約を逆手に取って、
おみやげのロイヤリティーを勝ち取ったという
オリエンタルランドが抜道を見つけて成功したということです。
これって、ビジネスの場ではよくある話ですよね。
良い話を貰ったんだけど、
立場的に、ビジネス歴的に、知名度的に
相手の方が上だからとんでもない
条件で一緒に仕事をしなければならないみたいな。
こればかりはしょうがないんですよね。
条件は悪すぎるけどこのプロジェクトに関われれば
スキルアップに繋がるとか。
条件は悪すぎるけど断るのは勿体無いみたいな状況です。
でもそういった契約には思わぬ
抜道で自分が有利になれるポイントってあるんですよね。
立場が弱いモノと強い物の契約時は
必ず不利な条件になるけど、
オリエンタルランドのように
ウォルトディズニーカンパニーが
予想だにしていなかった部分でキャッシュポイントを作る
ビジネスに置いては大切な視点なので是非身に付けてくださいね。
ディズニー作品の名作シンデレラに書いた記事が
大好評なので是非読んで見て下さい
⇒ シンデレラのその後。王子様と一緒になった後、殺人鬼になった理由
また、この記事で度々出てきた
フランチャイズという言葉。
この記事を読んで置くとよく理解できると思います