FINAL FANTASY XV発売延期に隠された緻密なプロモーション
こんにちは。じぇいです。
僕ゲームって殆どやらないんですが、
唯一ずーっと新作が出る度に
やり続けているゲームが1つだけあります。
それがFINAL FANTASY(ファイナルファンタジー)というゲームです。
ゲームをやらない人でも1度は聞いたことあるかもしれませんね。
全タイトルの世界累計出荷本数は1.1億本以上。
言わずと知れた国内を代表するゲームシリーズの一つです。
ちなみによく比較されるゲームとして
ドラゴンクエストがありますが
世界累計出荷本数はドラクエシリーズが6000万本以上。
どれくらい世界でも人気があるゲームかわかりますね。
さて、今日お話したい事は
このFINAL FANTASYというゲームの
最新作のプロモーションがこれまでのゲームには無い
非常に素晴らしいプロモーションということです。
もしかするとFINAL FANTASYに興味が無い人も
この記事をきっかけに欲しくなってしまうかもしれません。
ゲームに興味がなくても勉強になるので是非最後まで読んで下さい。
今度新作として出るのが『FINAL FANTASY XV』
この商品の開発開始されたのがなんと2006年。
つまり、10年間の月日を掛けてやっと発売される
おそらく製作側も超対作なわけです。
失敗するわけには行かないでしょうね。
そういった意味でも必ず普通のゲームとは違った
発売までのプロモーションは掛けてくるだろうな。
と思っていたので注目していました。
やっぱり変わったプロモーション仕掛けて来ましたね。
それは、ゲームが発売される前に映画化したということです。
どういう事かというと、
「FINAL FANTASY XV」と
同じ世界、時間、キャラクターで描く、
もう一つの物語を映画化して
「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」を
上映するというプロモーションです。
7月に公開された映画では国王の視点での物語、
11月に発売されるゲーム側では国王の息子である王子の視点での物語。
そしてこの2つを通じて父と子の絆が描かれるというもの。
映画を先行に上映することで、
ゲーム側で得られる様々な情緒に、より深みを与える
ことが狙いみたいですね。
ゲームって基本商品構成1つで売る
雑なマーケティングなんですが、
今回はフロントエンドに映画、
バックエンドにゲームを持ってきているんです。
この商品構成によってどうなるのか
と言うのは後で説明します。
それで今回このフロントエンドの
映画のクオリティが半端じゃない。
どのくらい凄いかと言うと、
ゲームを映画化がした作品が
たった2週間で興行収入1億円突破です。
なぜそんなことが起きたのか?
それは、映像のクオリティが
僕が見てきた中でずば抜けてトップ。
家でテレビを見ているとまず、
映画CMがやっていました。
CMを見ただけでも、「なんだこのクオリティ」と驚きました。
今回3DCGという技法が使われているのですが、
このCMの時点で相当なレベルであることは
予想していましたが映画ではその期待値も遥かに超えてきました。
今、巷で話題のASMR動画が人気ですが、
そんな物とは比べ物にならない。
ちなみにASMRとは簡単に言うと
「聴覚や視覚への刺激によって、
脳がとろけるような快感に浸り、
気持ちよくなれる現象」のことです。
なんか言葉だけ聞くとヤバイですね。笑
要は心地の良い音や映像ということです。
この映画に描かれる圧倒的物量と情報量
本当に気持ちいいレベルです。
これは映画館に行かないと体験出来ないと思いますが
一応映画の予告を見てみて下さい。
イマイチ動画だと良さが伝わりにくいかもしれませんが、
登場してくる人なんてもう本物の人に近づいてますよね。
今回の映画は
実際には複数の制作会社と連携していて
国外19社・国内30社もの制作会社を取りまとめていたそうです。
国外の会社ではカナダのImageEngine等と連携していたようです。
話を本題に戻して、
この映画を凄いと思ったのは
僕がFINAL FANTASYが好きだから?
と思ったので映画を見た後に
色んな口コミサイトを調べてみると
物凄い好評みたいですね。
大抵映画って良い作品でも
悪い口コミが多いのですが本当に悪い口コミが少ない。
そして、これまでFINAL FANTASYという
ゲームをあまり知らない人も見に行っていたり、
昔好きだったけど興味が無くなった過去顧客が見ていたり。
また、この映画,男性キャラ、
特に年を取ったキャラクターほどかっこいいです。
おっさんキャラほどかっこいいということから
年配層の満足度も高く、
ゲームに興味を持たれない年配層にも
アプローチをしっかりかけている
更に、映画の終わり方がズルい。
「え、そこで終わるの!?」と不完結な状態で終わらせて、
エンドロール。
そして、
急にスタッフロールが少し途切れて、
そこからFF15のロゴが出てきて、
なんか急に音楽が滾る感じになるんですよ.
別にオファーがかかっているわけでもないのに、
自然と「続きはゲームにて」と言われているような感じでした。
ゲーム発売みたいな予告も無く
ただロゴで出てくるだけなので嫌らしさも無く
むしろこっちからゲームの情報欲しいと思わせる
そんな終わり方。
映画の続きも気になるし、
あの世界観を体験できるならと
ゲームに興味示すようになることを想像するのは
難しく無いと思います。
本来、ゲームだけで発売していたら、
FINAL FANTASYに”今”興味がある人しか
ターゲットに出来なかった。
しかし、
事前にフロントエンドで映画を挟む事によって、
興味の無い人や一度離れてしまった顧客、
FINAL FANTASYという作品を知らない人が
知るきっかけになってるわけ。
つまり、その後発売される
ゲームに興味を持つ母数が桁違いになったんだよね。
ここまではちょっとマーケティングを
勉強した事がある人であれば容易に想像が付く。
ただこれだけじゃない。
このゲーム本来は9月にセールス予定だったのですが
11月末に発売延期になった。
この理由については様々なサイトで
様々な見解が語られているが
個人的にどれもしっくり来ない。
だから自分なりに理由を考えて見ると、
当初の予定より、映画が好評だったから、
フロントエンドの販売期間(映画の上映期間)を長くして
もっと多くの人にFINAL FANTASY XVを知ってもらい
大きくバックエンド(ゲーム)を売り上げる為でしょう。
このようにプロモーションを走らせながら
マーケティングを変えてきたんだと思います。
ここからのマーケティングもしっかりしている。
まず一旦全ての映画を上映を終了させた。
現在はどこの映画館でもやっていない。
しかし、8/20から英語版の映画上映だけしている。
まずここで、世界でも大ヒットしているゲームなので
日本にいる外国人層の本格的獲得にも乗り出した。
それから10日後の8/30よりPlayStation Video
というPlayStationでなら見れるように配信スタート。
更にPS Plus加入者は、
10%OFFのお得な価格で購入可能という特典も付けてきた。
一度セールスが終了した商品を
また期間限定で再販売すると売れるんですよね。
アフィリエイトなんかでも、
この商品は3日間限定です。
とか言って、3日後とかに
購入しそびれた人が多かったそうなので
最後のチャンスで再度3日間販売を行います。
みたいなのをやるのはその為です。
つまり、
これにより映画を見逃した人が見れるし、
既に見た人も家でまた見れるようになる。
更に、映画みたいけど
PlayStation Videoとか意味わかんないから
見ないで良いやという人が
興味を持って行っても一定数でてくるので
9/30にはDVD,Blu-ray発売。
これで終わりかと思いきや、
10/1には映画の4DX版公開。
当然これは新規顧客獲得の為でもありますが、
度映画を見た人、
PlayStation Videoを見た人
DVD,Blu-ray見た人を更にファン化させるための
アップセル的な役割を果たします。
そして、11月に発売開始という流れでしょうね。
ここまでの手順を考えれば、
ゲームの延期を行った本当の理由として
僕が仮説として立てた、
当初の予定より、映画が好評だったから、
フロントエンドの販売期間(映画の上映期間)を長くして
もっと多くの人にFINAL FANTASY XVを知ってもらい
大きくバックエンド(ゲーム)を売り上げる為でしょう。
というのが正しいと思いますね。
渾身の一作ということで
本当に力の入ったプロモーションです。
数年前まではゲームの内容が良ければ売れた時代ですから
とにかくゲーム内容にこだわっていました。
しかし、ゲームの種類も多様化し
差別化が難しくなってきたので
ゲーム業界もやっとマーケティングに
力を入れてきたという感じですね。
ただ、これでもまだ甘いですね。
もっとしっかり組むのであれば
まだまだ行うべきことがありますね。
例えば、
映画特典やDVD,Blu-ray購入特典として
無料版がダウンロード出来て、
ある程度までゲームが進められる。
そして、有料版販売と同時に
有料版ダウンロード出来るんですが、
無料版で遊んでいたデータが
そのまま有料版に引き継がれるみたいな。
だからゲーム開始1ヶ月前は
無料で遊べてレベル上げとかも多少出来ている。
映画を見てからある一定期間が過ぎてしまうと
当然映画を見た直後より熱狂度が下がってしまうので
特典で無料版を付けてプレイさせて置くことで
ゲーム開始まで熱狂度を冷ますことなく
つなげるみたいなのとか効果的でしょうね。
この記事で言いたかったことは、
成熟した業界は商品が良くても売れないということ。
マーケティングにも力を入れていくべきだと言うことですね。
マーケティングに力を入れない企業はポケモンGOや
VR、ARの様な技術革新に力を入れるべきだと言うこと。
このポジショニングをはっきりさせて置かないと
今後生き残るのは難しいでしょう。
ゲームの未来に付いてはこちらで詳しく説明しているので
是非ご一読して置くことをオススメ致します。
⇒ 草食系の次は絶食系