父に車をプレゼント。ポンコツディーラーから車を買った話

マーケティング

 

こんにちは。じぇいです。

僕の実家には1台の車があります。

 

うちの家族は全体的に車は乗らないという事と

あとは父がその車に愛着があるので

今実家にある車はもうかれこれ

20年以上乗ってたりします。

 

 

幸いなことにこれまで大きな故障が

1度も無かったことから

車を買い換えようとは

ならなかったみたいなのですが、

 

今年の年末に車検ということだったので

親孝行という意味と自分も時々乗るということから

父に新しい車をプレゼントしよう。

ということで新車を見に行ってきました。

 

 

父が次買い換えるならBMW、Audi、LEXUS

という思いがあったらしいので3社見てきました。

 

 

僕にとっては人生初めてディーラーだったので

とてもわくわくでしたね。笑

 

 

僕は全然車に詳しく無いので

ディーラーに行って思わず見てしまうのが、

車を売るためのセールストークや交渉、

受け答えに対する対応、信念、ポリシーなどでした。

 

 

結論から言うと、

三者三様でとても面白かった。

 

 

一番最初に行ったのが

Audiでした。

 

 

Audiの担当者の印象は

売りたい商品を推してくるなというイメージ。

 

 

売りたい商品を見せて事細かに機能や性能の説明。

 

「エンジンがどうたらこうたらで・・・・」

 

車に詳しくないのでよく覚えてません。

 

特に口癖が

「ちょっとマニアックな話になってしまうのですが・・・」

 

 

この言葉をよく聞いた。

 

 

でも、個人的に見た目は一番Audiが好きでしたね。

 

 

続いて行ったのがBMW。

BMWの担当者の方は新人だったらしく、

とにかくわからないことが多い。

 

1つ質問すると、

「少々お待ちください。只今調べてきます。」

 

これが非常に多かった。

 

試乗しているときの主な会話内容は、

車の性能よりも、

なぜその人がBMWに就職したのか?

私も将来BMWの車に乗りたいですね。

 

という話から、

正直私にはまだ力が無いので、

お値段の方はあまりお安くできません。

 

 

もし、車を気に入ってお値段で悩まれる場合は

あまり大きな声では言えませんが、

当店ではなく他店のある程度なれた方に付いて頂ければ

値段の交渉もある程度出来るかと思います。

 

 

という感じで営業トークがありませんでした。

 

 

そして、最後に行ったのがLEXUS。

 

LEXUSはとにかく雰囲気作り、

ブランドイメージを徹底している印象を受けた。

 

駐車場に入るやいなや、

綺麗な受付嬢が出てきてくれて、

車の誘導をしてドアを開けてくれた。

 

 

ドリンクメニューを物凄く豊富で

相談したり話を聞いたり場所も、

しっかり1組づつ仕切りがあり、

説明は見やすいようにモニターで説明。

 

 

奥にはラウンジがあり、

Wi-Fi環境があり、ドリンク飲み放題、

ゆったりできる空間がある。

 

 

内装も無駄がなく、

ゆったりと座れるという印象。

 

 

別に僕はスポーツタイプで走らせる車より、

ゆったりと乗れるような車がよかったので

内装は一番LEXUSが気に入りました。

 

 

更に、

購入後のサポートがしっかりしていたり、

ディーラーに車を持っていけば、

いつでも何回でも洗車をしてくれるとか。

 

 

それだけ雰囲気作りや

ブランドイメージを大切にしている

印象を受けたLEXUSですが、

もっとも驚いたのが

一切値下げ交渉は応じないというところ。

 

 

これは完全にブランドイメージを保つためですね。

 

良い物は高いんだから値下げを交渉するなら

他の車を買ってください。

というスタンスなんだと思います。

 

 

そして僕が関心したのは、

値段交渉は受付けない代わりに、

今載っている車の買い取りを

少し他社より高く買取ることで

お得感を演出していました。

 

 

僕の家の車はもう20年乗っているんです。

車って基本10年経つとその車の価値って

無くなってしまうらしいですね。

 

 

当たり前ですが

他社では買い取りは愚か、

廃車代がかかるわけです。

 

 

でもLEXUSだと7万円という値が付いた。

 

 

他社は数十万円単位で

値引きに応じてくれるわけなので

7万円なんて微々たる金額ですが、

ブランドイメージを保ったまま、

少しでも安く提供する工夫は

素晴らしいと思いましたね。

 

 

これぞ世界に誇る

日本の車という感じですね。

 

 

 

さて、

ここまで読んで結果どの車を買ったと思いますか?

値段はどれも似たようなものです。

 

ちなみに僕と父の意見は全く同じでした。

 

 

答えは、

 

丁寧な対応に空間づくり

値下げ交渉に対応しないブランドイメージ、

車の他にもプラスの付加価値を付け加えていた

LEXUSではありません。

 

 

見た目が最も気に入り、

機能の細かい説明を事細かにしてくれた

Audiでもありません。

 

 

買ったのはBMWです。

 

 

では、なぜBMWにしたか?

これを説明できるのであれば

おそらくかなり優秀な営業マンになれるかと思います。

 

 

正直、車の知識が一般レベルの僕らでは

そんなにこの3社で大差を感じません

(車好きからしたら違うと思いますか)。

大体付いている機能も同じだし、

使い方は街中をゆったりと走れれば良い程度なので。

 

 

商品レベルに差が無ければ

どれを買ってもある程度満足できるので

こうなってくるとポイントは、

何を買うかから誰から買うかになります。

 

 

これは今回の車のケースに限らず

全ての商品、ネットでもリアルでも同じです。

 

 

だって、

ネットで全く同じ商品、

同じような集客数で販売しているのに

それぞれ売上って全く違いますよね。

 

 

それはなぜか?

 

それは似たような商品であれば

誰から買うかを自然と選ぶようになっているからです。

 

 

では、BMWの一見ダメそうな営業マンに同情したから?

 

というわけでもありません。

彼は確かに車の機能に付いては詳しく無いし、

あまり詳しい車の説明はありませんでした。

 

カーディーラーとしては微妙かもしれませんが

営業マンとしては素晴らしかったです。

 

 

なぜなら、正直詳しい車の機能なんて

説明する必要無いんですよね。

 

それは、

”人は理解では動かない”からです。

 

 

 

これを理解していないで

モノを売っている人が多い。

 

 

とにかくセールストークで

機能や性能、値段、必要性に付いて喋るみたいな。

 

 

別に機能や値段なんてネットがあるんだから

調べればわかります。

 

お客さんから聞いてきた質問にだけ

機能や値段の話をすればいい。

 

 

 

僕の知り合いの社長さんで

営業で世界一を取った方がいます。

 

 

彼の講演の質疑応答で

「もし、保険業界だったらどんな営業トークしますか?」

 

という質問を受けていた。

 

 

世界一が保険の営業トークするって

どんな展開で話して行くんだろう。

とても興味深かったですね。

 

 

その中の一部を紹介すると、

 

客「いや~。保険の必要性はわかってるんだけど高いんですよね。」

 

営業マン「高いのはわかりますが、

保険とはお客さんが家族を守る為の愛情の証じゃないですか。

もし、あなたが家族に対する愛情がないなら今回

この保険を契約する必要はありません。

もっと適当な安い所探してください。

私が保険を売っているのは

あなたが家族に対する愛情を形にする為に

保険という商品を売っているんです。

それをケチるなら他いきませんか?」

 

客「いや、そんな私は家族愛情が無いわけじゃないんですが。。。」

 

営業マン「ですよね~。

それでは契約して頂けるんですね。

私の目に狂いは無かった。

これで家族は安心ですね。」

 

 

内容は多少はしょりましたが

こんな感じです。

 

 

果たして営業トークを受けた人は

その商品の性能、機能を理解しましたでしょうか?

 

 

してないですね。

 

 

さて、話は戻して、

BMWの新人さんの会話内容を思い出して見ると、

「BMWに就職した理由」「いつか私もBMW乗りたいです」

とか話していましたね。

 

 

これって一見セールスに関係無さそうですが、

これは自己開示になっていて、自己開示をすると信頼関係が築けます。

 

そうすると話を聞いて貰えやすくなります。

 

そして、関節的にBMWというブランドを

手にしたことによってどんな未来が得られるのか。

これも伝えているんですよね。

 

まぁ等の本人は意識して無かったでしょうが。笑

 

 

この未来を見せるという方法が

商品をセールス時には大切。

 

如何に具体的にどんな良い未来が待っているのかを伝える。

彼はそれが非常に上手かった。

 

 

更に、

先ほども書きましたがこんな会話もありました。

 

「あまり大きな声では言えませんが、

当店ではなく他店のある程度なれた方に付いて頂ければ

値段の交渉もある程度出来るかと思います。」

 

ここには正直に物事を話しているので

更に信頼がおけるようになりますし、

一度断るという手法も使っていますね。

 

これもセールスにはかなり効果的。

 

 

先ほどの世界一の称号を手にした

営業マンのトークでもありましたね。

 

「他の安いところ探しませんか?」

「ケチるなら他当ってください。」

 

 

なぜこの断るという手法が効果的なのかと言うと、

自分と商品の希少価値が上がるからです。

 

 

他にもこれまでぐいぐい攻めてきた人が

急に素っ気ない態度になったら

なんかこちらから歩み寄りたくなる。

 

恋愛なんかでよくありますね。

そんな心理学にも基づいています。

 

 

つまり彼の営業トークは

ダメそうに見えてかなり

理にかなった営業トークをしていたんですね。

 

 

まぁ今話した内容は

世間一般的なイメージの理想的な

営業マンには程遠いので

反論したくなるかと思いますが、

事実僕らはこれらの理由が決め手になっています。

 

 

ちなみに、

試乗した後にBMWでは

新人さんの上司が出てきました。

「担当のモノが新人だったのですが

何か不手際ございませんでしたでしょうか?」

などと良い彼がやった事というのは機能や性能の説明。

 

聞いていて別に欲しくならなかった。

 

 

そこで発した父の言葉も興味深かった。

「ご丁寧にご説明ありがとうございます。

今回はBMWさんに決めさせて頂きますが、

私はこの担当してくれた◯◯さん(新人の名前)から

買わせて頂きます」

 

 

まさに自分の事正直に話しまくって自己開示し、

間接的にではありましたが、

しっかりこの車を買うとどういう未来、

ベネフィットが待っているかを伝えた

新人さんが勝ったということです。

 

何を買うではなくて

誰から買うというのが如何に効果的か

僕も改めて認識した瞬間です。

 

 

おそらく、

最初から上司が出てきていたら、

付加価値に重きを置いていた

LEXUSにしていたと思います。

 

 

BMWの新人さんは

現在の彼の方スタイルにプラスアルファで

質問されたら答えられるような

知識を付けておけば良い営業マンになると思う。

 

 

でも彼の上司を見ると

よくいる営業トークをする方だったので

彼もそんな教育をされていくのだと思うと

もったいないですね。

 

 

だから経験を積めば優秀になるとは限らないんですね。

 

 

勉強や努力する方向性を間違えると

どんどんダメになっていきますね。

 

 

人生一高い買い物になりましたが、

面白い体験と勉強ができ、

父も喜んでくれたので

個人的に良い買い物になりました。