電車で泣きわめく50歳の天才社長の物語

物語

じぇいです。

物凄いタイトルで始まっていますが、
僕の知り合いでぶっ飛んだ社長がいます。

 

その人の子供の教育方法が本当に面白いので共有したいと思います。

 

それは、先日「経営者が集まって映画を見る会」
という世にも奇妙な集まりがあります。

 

この会は経営者が総勢20名くらい業種、年齢関係なく集まり、
全員で1本の映画を見るという会です。

 

月1で開催していて、
僕は22歳くらいの時に初参加したのですが、
多業種いるので人脈が広がることはもちろん、
この会の何が良いって、映画を見終わった後にみんなで
ディスカッションするわけです。

 

ディスカッションも1人1〜3分の時間を与えられて全員の前でプレゼンです。

 

やはり凄腕経営者達の前でプレゼンわけですから、
「頭フル回転でちょっと良いところを見せたい!」
という想いでこの角度で切り込んだら周りを驚かせられるだろう。

 

とか、流石にこの視点は誰も持ってないだろう。

 

とかニヤニヤしながら考えるわけですが、
いざ発表してみると…

撃沈も良いところ。

 

自分の順番が周ってくる前に言おうとしてたことを言われたり
(自分だけの視点だと思ってたら早々に被ってた)、
全く自分には見えていない、感じられていない感想が出てくる出てくる。

 

「プレゼン前はこれ完璧でしょ!」
と思ってもすぐにそのレベルを超えてくる。

 

普段は人と違う視点で物事を見たり捉えたりするのが得意な筈なのに、
やはり一流経営者達はそんなスキル当たり前のように持っています。

 

そんなわけで、ハイレベルな中で意見交換すると
めちゃくちゃ自己成長に繋がる訳なんですが、
この映画を観る会、全員のプレゼンが終わると、
その場で経営者さんの奥さん達が作った手料理が振舞われ、
食事をしながら個々で交流をしていく訳です。

 


そして、僕は基本的にプレゼンの段階で
「今日は食事の時に誰に絡みに行こうかな〜」
と事前に目星を付けておき、
その人がどんな人なのかすぐ様ネットやSNSでリサーチかけて、
どんなアプローチで行くと興味を持ってもらえるか?
なんて話の引き出しを用意していきます。

 

 

その日に興味を持ったのが、経営者をコンサルする経営者の方でした。

 

もうこの時点で面白いですよね。
内容は経営者だけを指導するみたいです。

 

社長としての立ち振る舞いや言動、
考え方などをコンサルティングするそうで、
あくまで経営者のコンサルであり、経営のコンサルは一切しないそうです。

 

しかも、そのオファーの数は凄くてどんな社長をコンサルしてるのか
聞いたらめちゃくちゃ有名な社長の名前が出てくる出てくる。

 

仕事内容も斬新でぶっ飛んでたわけです。

 

だって見方を変えると、
自分はプロ野球選手。
そして、指導はプロ野球選手にしか教えない。
プロ野球選手にはおしえるけど一切野球については教えない。
プロ野球選手としての立ち振る舞いやメンタルやマインドについて教える。

と、言っているようなものですからね。笑

 


しかも、それでコンサルを受けた人の会社の売上は
上がっているって事にビックリですね。

 

別に経営の事は一切コンサルされてないのに。


そんなぶっ飛んだ人だったと話してわかったのですが、
僕はこの後その社長の凄さというか、
人としての奥深さを感じさせられました。

 

とても感銘を受けたので共有したいと思います。
話して行く中でこんな質問を投げかけられた。

 

Q自分の子供(幼稚園児)が電車で泣きわめいています。
その時あなたはどうやって子供が泣いているのを止めますか?


せっかくなので、
今ここで読む手を止めて考えてみてください。

 

よくある答えとしては、

「なんでこんな所でなんているの恥ずかしいでしょ!!」

と怒るのが一般的ですね。

ただ、これで泣き止むほど子供は言うことを聞きませんよね。


「放おっておけば泣き止むでしょ」

確かにこれが一番楽ですが、
周りへの配慮がなってませんね。

 

子供が泣く事はしょうがないことですが、
それを放って置くのは親としての務めとしてどうなんでしょうか。

せめて周りの乗車客としては泣き止ませる素ぶりくらい欲しいですね。


「スマホで子供の好きな動画を見せます」

と子供の機嫌を取りに行きますか?
これで泣き止むなら問題ありません。

ただこれは効果がある時とない時があると思います。


さて、
この質問をされた時に、
僕の答えとしては、
「なぜ泣いているのかその原因を聞く」

と答えました。

 

僕はこう言うシチュエーションに限らず、
何か問題が起きるとその原因に目を向けるようにしているからです。

 

だから、仮に社員が何かしでかしても、
怒ったことはありません。

 

なぜそのような問題が起きたか原因を突き詰めて、
改善するようにさせます。

 

仕事に限らずプライベートでもです。
だから基本的僕は怒ったと言うことがありません。
もちろん怒りが込み上げることはありますが、怒りません。

怒ったところで何も解決しないので。

ちょっと話は逸れましたね。


なので、僕はその社長に
「なんで泣いているの?」と聞いて原因を突き止める。

と回答しましたが、

「物事の考え方としては悪くないけど、
幼稚園生は自分がなんで泣いているのか説明できないよ(笑)」

と、笑われてしまいました。

 

 

(まぁ確かにそうなんだけど・・・)と心の中で思ったので、
ヒントをくださいと言ってみると、

それをやると大概の子供が一発で泣き止み、
そして今後同じ事を繰り返す事が極めて少なくなるそうです。

は?そんな凄い方法があるのか?

なんて思いましたが、
自分なりに結構いろいろ考えましたが。

 

答えにはたどり着けず。
この手の質問の時って、
正直突拍子も無い半分ふざけた答えが返って来る場合が多いです。

 

ただ本当にちゃんとした理由付けされた答えが返ってきたら
自分の想像を遥かに超えた内容な訳なので、ワクワクもありました。

 


どんなに考えもわからなかったので、
やむを得ず、答えを聞くと、

答えはね。

「子供より思いっきり泣きわめく姿を見せる」

でした。

 

(うわぁ〜出たよ。理由付けもないしょうもない答え)なんて思ったのが
顔に出てしまったからか、
「本当に効果覿面だよ」なんて言ってきました。


待て待て、これだけ引っ張ってその答えは正直嘘だろ!
と思い少しガッカリでした。

 

だって、その社長さんはもう50歳手前ですよ。
なので、誰もが思いつくような当たり前の疑問を投げかけました。

 

「50歳手前で電車内で子供以上に泣きわめくって恥ずかしくないんですか?」
と、尋ねると。

 

「怒れば耳には届けられる。
説明すれば頭(理解)には届けられる。
お願いすれば心には届けられる。
しかし、耳や頭や心でわかっていても
またやってしまう。
でも、魂に刻めば人は同じ過ちをしなくなる。」

ふざけた答えかと思っていたら、
物凄く深く説得力のある内容に言葉が出ませんでした。

 

トラウマというとネガティブなイメージがあるのですが、
これはある意味良い意味でのトラウマと一緒です。


自分の父がバスの中で泣きわめいてる。
そして、周りの大人がみんな注目して
冷たい目線を送る。

 

そのやばい状況は恐らく幼稚園児でも
本能的に察する。

 

言われて見ればトラウマって
自分の記憶が曖昧な小さい時に
作られているのが多いなと。

この社長はトラウマという本来ネガティブな心理を上手く利用している。

 

その言葉の真意を汲み取る事が出来ず、ふざけた答えを。と思ってしまった
自分の浅はかさがとても恥ずかしくなりました。

 

そして、社長は続けて言いました。

「子供の魂に刻まれるのであれば
自分の一時の恥など関係ない」

素晴らしい教育だ。
これが経営者をコンサルする経営者か。

 


しかも驚きだったのが、
先日テレビ番組で、

 

”子供がおもちゃを買ってと駄々をこねた時に
それ以上に父親が駄々をこねるとどうなるか?”

みたいな実験がありました。

お笑い芸人が実験台になって、
子供がおもちゃコーナーでおもちゃが欲しいと駄々をこね始めたので、
それ以上にお笑い芸人の父親が駄々をこねました。

その結果がまさに、
その社長が言っていた結果になった。

 

子供が父親を慰め、
その後「パパ、やっぱりおもちゃなんて要らない。」

と言っていた。

その後父親が
「本当におもちゃ要らないの?」

と聞いても、

「うん。要らない。だから泣かないで。」

と言っていた。

まさに、あのとき社長が言っていた通り。

 


教育は人それぞれだし、
全ての子供にこの方法が効くわけではないと思います。

 

あくまで本日話したのは一例ですが、
でも人に物事を伝える時に、
相手のどこまで届けられるのか?

耳なのか?理解なのか?腑に落ちるところまでか?感動までか?魂までか?

これを考えるだけでかなり人への接し方や
物事の伝え方は変えられると思いました。

 

そして、その社長の事は僕の中で凄いとか、
尊敬とかそういう言葉や理屈では説明できない存在だと刻み込まれた。